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現役イベンター”MERU”が教える! イベント業界あれこれ サンロクゴ(365)VOL.7

こんにちは!現役イベンターのMERUです。

先日、通年で行なっているコンベンション現場に行ってきました。この現場はかれこれ20年近く続いているイベントらしく、第一回目から現場に来ていたという照明さんが、『私、今年で還暦!!』と騒いでおりました。笑  このイベントのプロデューサーも苦笑いです。

そしてボソリと、「このチームも高齢化か・・・」とつぶやいていたのを聞いて私も思わず苦笑い。別紙のMC台本も「文字を大きくして欲しい」というご所望が各テクニカルチームから上がり、この現場の印刷物は大きめの文字にするよう配慮しています。笑

『そろそろ若手を入れないと・・・』とどのセクションも言っておりますが、なかなか上手くいっているチームは少ないようです。ベテラン揃いの会社ほどこの傾向が強いようですね。

それでは、前回に続く裏方ポジション大紹介・テクニカル編パート2を書かせていただきます。今回でポジション紹介は最後になりますが、ぜひこちらの記事を実際のイベント制作、そして現場に生かしていただければと思います。

<裏方ポジション大紹介 ③> 〜テクニカル編 Part 2〜

Part 2の最初は音響さんからご紹介します。コンベンションも音楽ライブも、音無くしてイベントは始まりません!彼らは音の世界のプロとしてイベントでは欠かせないポジションです。また、この業界では音響さんのことをPAと言います。PAとは、『Public Address』の略で、元々放送設備のことを指していたのです。初めはPAと言われてもピンと来ませんが、慣れればPA=音響と結びついてきます。

<音響>
◎音出しオペレーター

イベントの音響さんは、楽曲を作るのではなく(楽曲を作れる人もいます)、イベントに関わる音周り全てを把握し調整する人です。音出しオペレーターは、制作側やクライアントが選曲した曲をタイミング通りたたく人のことです。(音を出すことを業界では『タタく』と言います。)このシーンではフェードインなのか、カットインなのか、などを把握しなければなりません。また、音出しオペレーターは、曲だけでなくマイク周りも管理しています。基本的にマイクはナンバリングされており、誰に何番のマイクを持たせるのか、どのシーンでどのマイクを使うのか音響スタッフ全員で把握しています。というのも、イベントで使用するマイクは、自分でスウィッチを入れるようなマイクではありません。音出しオペレーターがシーンごとに必要なマイクナンバーの音量を上げたり切ったり調整しているのです。例えば、挨拶担当のAさんはハンドマイク1番、プレゼンがメインのBさんはヘッドセットマイク1番、乾杯の挨拶担当のCさんはスタンドマイク2番、などと全てナンバリングし、音出しオペレーターが音を仕切っています。

◎上手袖音響・下手袖音響スタッフ

袖の音響スタッフさんは、実際に袖裏で登壇者にマイクを渡したり、ヘッドセットをセッティングしたりします。台本を作っているのは制作側ですが、マイク周りは音響さんに必ず携わってもらいます。いくら台本ではこのシーンハンドマイク2番、と記載していても現場では何が起こるかわかりません。加えて、ヘッドセットやピンマイクは非常に繊細な機材です。迂闊に落とそうものなら弁償ものです!ここは思い切って音響さんに委ねましょうね。

また、進行スタッフとしては袖裏担当の音響さんと仲良くしておくと、リハーサルや舞台転換(ステージ上のシーンや機材をガラリと変えること)時に協力していただける強い味方になります。例えば、企業の周年パーティーなどでは社長が演台でスピーチをします。スピーチ終了後の演台ハケは、モニターやPCのケーブルが演台と繋がっており、一人で演台ハケができません。そんな時、音響さんと仲良くしているとコソッとケーブル巻きを手伝ってくれたりするのです。現場でのコミュニケーション、大事にしましょう!

<映像>
◎映像クリエイター

近年、PCの精度が画期的に上がり、一般の方でもハイクオリティな映像を作れる時代となりました。Youtubeの影響もあり、多くの映像クリエイターがゴロゴロしていますね。しかし、イベントの映像クリエイターは本当に苦しい修羅場をたくさんくぐってきたことでしょう。映像は、静止画と違いダイレクトにイメージが伝わりやすいツールです。ところが、逆に作りたい映像のイメージを伝えるのはもの凄く難しいのです。例えば、プロデューサーがオープニングVTRをこんなVにしたい!と思いついたとしても、それをどうやってクリエイターに伝えるとわかりやすいのか。これが作りたい側と作る側の大きな壁です。

想像してみてください。

色味、文字の動き、モチーフ、サウンド、これらを言葉で誰かに伝えるにはどうしますか?難しいですよね・・・?このイメージの統一は、プロデューサーとクリエイターの好みをお互いが把握していないと話にならないのです。

あるプロデューサーがクリエイターにイメージを伝えようと電話で頑張っていたのですが、『この開始10秒まではすげーカッコいいんだけどさ、11秒からの流れはさ、違うんだよ。もっとこう、下からぐわーってアングルいくみたいなさ、もっとサウンドと合わせる感じで。バックのキラキラしたやつもちょっとやりすぎ。うざいからもう少し絞って上品なキラキラにして?どお?伝わった?』

・・・・・ぐわーって何さ。キラキラうざいから上品なキラキラって何さ?って思いますよね。笑

映像クリエイターの方々は日々、このような無理難題と勝手なイメージを形にするために日々奮闘しているのです。ちなみにクリエイターは現場には来ませんが、個人的には成果として自分が作ったものを現場で見たら感動するのではないかと思っています。

◎映像オペレーター

映像オペレーターは、クリエイターが作ったVTRやスライドを進行の流れに合わせて出す人のことです。基本的にはVTR、スライド、ライブ、スクリーン切り替えなどで担当が分かれています。VTR担当はもちろんVTRを。スライドは事前に作られたパワポやキーノートのスライドを担当します。スクリーン切り替え担当とは、実際に会場のスクリーンに表示する画面を取り仕切ることです。この担当のPCにはVTRの画面もスライドの画面もライブの画面も集約されています。切り替え担当のオペレーターが、このシーンではVTR、このシーンではライブ、などと切り替える重要なポジションです。

◎ライブカメラマン

TV業界もそうですが、映像が物を言う業界では、カメラマンありきなのです。代わりがいないくらい腕のいいカメラマンは、色々な収録やイベントに呼び出され引っ張りだこなんだと。うちのプロデューサーもお気に入りのカメラマンがいて、彼とは20年近い付き合いだそうです。彼の画面を見ていると、『俺の画面をスクリーンに出せ!』という気迫が伝わってくると言っていました。また、カメラマンといっても、一人のカメラマンがカメラを回し続けるのではなく、少なくとも2台以上で違うポジションからカメラを回します。カメラにもナンバリングされており、基本的に下手から1カメと続きます。3台ライブカメラが入る場合は、下手が1カメ、センターが2カメ、上手が3カメとなることが多いでしょう。最近ではクレーンカメラやドローン撮影もイベント業界でどんどん使用され始めています。映像会社の中でもドローンセクションが開設された、なんて話も聞きます。

◎中継オペレーター・スウィッチングスタッフ

中継オペレーターとは、最もふさわしい画面を、各ポジションのカメラマンの画面から選択し、スクリーンに出す決定権を持つポジションです。中継オペレーターは基本的にプロデューサーの近くに座り、プロデューサーの好みのアングル、欲しい絵を把握しながら各カメラマンに指示を出します。TVのカメラマンはTAKE2がありますが、イベントのカメラマンにTAKE2はありません!中継オペレーターはこの緊張感の中で常に最適な画面を選び続けるという、神経質な役割でもあります。

◎映像エンジニア(VE)

どの業界も省略が好きですが、映像エンジニアも略して『VE』とよくいわれます。VEとは、映像の中でも裏方の裏方ですが、映像に関する幅広い知識がなければできないポジションです。VEの主な仕事は、本番での色味や絞りの調整をするポジションです。ビデオカメラは、同じ機種だとしてもアングルや撮影の方向が変われば光の反射具合も大きく異なります。そのため、このVEというポジションがいなければ、せっかくカッコイイ映像をカメラマンと中継オペレーターが作り出しても、いざスクリーンに映し出される絵が、色味や明るさがバラバラでとても見辛くなってしまうのです。イベントVEはこれらを瞬時に判断し、編集を加えスクリーンに映し出しているスーパー職人裏方ポジションなのです。

◎スチールカメラマン

スチールカメラマンとは写真のカメラマンのことです。この業界では、カメラマンというとどうしてもライブカメラを回している人を思い浮かべます。そのためフォトグラファーのことは『スチール』といいます。クライアントや制作側としては、今後の宣材写真も必要ですし、記録として最も使いやすく手軽なものですよね。イベントによっては、ライブカメラを導入するお金はないけれど、スチールは入れたい!というお客様もいます。

<特殊効果(特効)>
◎チーフ

特殊効果は業界の人でしか知らないポジションだと思います。例えばイベントの締めくくりに、キャノン砲といわれる、メタリックや紙のテープなどを飛ばす特別な効果のことです。スポーツイベントなどでは、決勝戦出場者を一人ひとりコールする際、登場口にスモークを漂わせ、カッコよく登場させる演出などもよく使われます。文字通り、普通の演出ではなく、ここぞという時の演出である特殊効果、略して『特効(とっこう)』と業界では呼ばれています。とはいえ、台本でも1Pしか登場してこないくらい派手な代わりに場面が少ないポジションのため、昔ながらのイベンターは影で「一発屋」なんて言っていました。間違っても、こんなことは言ってはいけませんよ!笑

【まとめ】

いかがでしたでしょうか。こんなにも多くの人が関わり合って成立しているイベント。裏方としましては、他にもデザイナーや印刷会社、キャスティング会社などたくさんありますが、今回はこのくらいにしましょう。制作側はクライアントとテクニカルの意見に挟まれ、苦しいポジションではあります。しかし、裏方ポジションを少しでも理解していると、クライアントの無理難題が本当に無理難題なのか、はたまた無理すぎる難題なのか、などの判断も自分でできるようになります。全員が気持ちよくイベントに関わるためにも、ぜひ覚えてみてくださいね!

<プロフィール>

|ペンネーム:MERU(メル) |年齢:27歳女性 |業種:イベントD(進行・運営)、企画書・台本・マニュアル制作、入稿データ制作、デザイン関係制作、英語対応可 |業界歴:3 |活動エリア:東京 |家族:旦那と共働き |所属組織:10名未満のベテラン揃い |スキル:制作に必要な知識に加え、デザイン関係(AI,PSD操作)、英語対応といった周りにないスキルでしがみついている |チャレンジしたいこと:時間効率化で副収入を得ること。仕事で海外に行くこと。 |前職:ボランティアで2年間海外の学校で教師をしていた |悩み:子供が欲しいが仕事も楽しいので辞めるタイミングが分からない。よってフリーになっても仕事がもらえる関係値を作りたい

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